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禁忌症と飲泉

 禁忌症

温泉には、「禁忌症」というものがあり、当該する症状においては、入浴をひかえることを訴えたものがあります。
「浴用の一般禁忌症」として、下記が挙げられ、温泉分析書または、別紙効能表に記載されています。


禁忌症・・・

急性疾患(特に熱のあるとき)、活動性結核、重い心臓病、悪性腫瘍、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他病勢進行中の疾患、妊娠初期


その他、下記のような症状にあてはまる場合には、完治するまで温泉入浴は控えるべきです。


1、すべての急性疾患(熱のあるとき)
2、慢性関節リウマチの病状進行期
3、がん、白血病、肉腫
4、重症高血圧、動脈硬化症
5、1年以内の心筋梗塞、狭心症発作(心電図などで判断)
6、重症糖尿病
7、代償不全の心臓病、腎臓病
8、発病後間もない脳卒中
9、発病後間もない胃・十二指腸潰瘍
10、大血管の動脈瘤
11、妊娠初期と後期、出血しやすい体質、月経中
12、急性伝染病
13、高齢者、乾燥肌の人は、硫黄泉、硫化水素泉の入浴は避ける
14、強アルカリ泉も人によっては肌がかさつく
15、皮膚粘膜の過敏な人、特に光線過敏症の人は硫黄泉を避けた方がよい

温泉の効能は、計り知れないものがありますが、万能ではないので、「禁忌症」等を考えて入浴しましょう

 飲泉

このホームページでは、それぞれの泉質別に飲泉による効能も述べております。

温泉には、成分分析上は飲泉による効能が認められていますが、多くの温泉は、保健所が飲泉を許可していない場合がほとんどです。また、飲泉は刺激が強いので注意が必要です。そこで、できるだけ、入浴による健康増進におつとめください。飲泉をされる場合は、できれば医師などの指導を受けてください。

飲泉の主な効果についてあげてみました。

貧血、出産後、萎縮性胃炎、リウマチは「鉄泉」
慢性胃・十二指腸潰瘍、痛風、過酸性胃炎には「アルカリ性泉」
無〜低酸性胃炎には「酸性泉」
胆汁促進、動脈硬化予防には「硫酸塩泉」


飲泉の際の注意

1、気体の二酸化炭素(炭酸ガス)やラドンは空気中に飛んでしまい、炭酸鉄やカルシウムなどは沈殿して吸収されなくなります。
また、衛生上の問題、温泉の鮮度により、飲泉は温泉の湧き口から直接飲むようにしましょう。


2、
飲泉量は100〜200mLを1回分として、ゆっくり噛むようにして飲むのがコツです。
1日量は200mLから1,000mLまでとします。飲みすぎると食欲が低下するうえ胃腸を痛めます。
夜の飲みすぎは排尿が近くなり睡眠を妨げるので注意しましょう。
強塩泉や酸性泉、含アルミニウム泉、および含鉄泉は、泉質と濃度により希釈して飲用しましょう。


3、普通は、食前30分から1時間、または空腹時に飲用し、夕食後から就寝前の飲用はなるべく避けましょう。
塩化物泉や二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉(重曹泉)は早朝空腹時と夕食前の飲泉がよいです。
含鉄泉、放射能泉、ヒ素、ヨウ素を含む温泉は食後に飲用します。


4、鉄泉の飲泉直後は、タンニンを含むお茶は鉄の吸収を妨げ、歯を黒く染めるので、避けましょう。

5、酸性泉は適当に湯または水で薄めて飲むか、またはストローで飲まないと歯を傷めるので注意が必要です。

 飲泉の禁忌症

飲泉は消毒していない湧き水を飲むことになるので、効果が大きい分、注意も必要です。
温泉ごとの薬効成分(泉質)によって禁忌症も異なりますが、主なものを例として挙げてみました。


●高血圧症、腎臓病、その他むくみがあるとき
 →塩化物泉、ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)、ナトリウム硫酸塩泉(芒哨泉)は多量に飲まない

甲状腺機能亢進症のとき
 →ヨウ素を含むものは飲まない

●下痢をしているとき
 →二酸化炭素泉、硫黄泉、硫化水素泉は飲まない





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禁忌症と飲泉について