温泉は湧出口(源泉)での泉温によって次の4つに分類されます。
冷鉱泉 25℃未満
低温泉 25〜34℃未満
温 泉 34〜42℃未満
高温泉 42℃以上
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入浴でもっとも気持ちの良いと言われる風呂の水温は42℃と言われているため、温泉地の大浴場はほとんど42℃前後に設定されています。
そこで、「冷鉱泉」「低温泉」「温泉」は加熱しなければならない場合がほとんどです。
「高温泉」がもっとも温泉らしく感じられるはずです。
また、源泉の温度が高いほど、効能成分が濃い(成分が多い)傾向にあります。
お湯が熱いとお茶が濃くりやすかったり、砂糖がとけやすかったりするのと似た原理です。
では、「高温泉」だけが優れているのかというと、熱すぎると肌への刺激が強すぎたり、適温に冷ますのに時間をかけなければならなかったり、加水する必要もあります。
ぬるい湯に長くつかりたい方は、「温泉」を選べばよいですし、刺激に弱い方は、適温に加熱した「冷鉱泉」「低温泉」を選べばよいです。
どれが優れているかというよりは、好みに応じて温泉を選んでください。
赤倉温泉を例にとると、源泉温度が51.1℃で「高温泉」となります。
温泉は各種の塩類が溶けている液体で、「浸透圧」というものを持っています。
人間の身体を作っている細胞液と等しい浸透圧を持つ液体を等張液と言いますが、これは8.8gの食塩を1リットルの水に溶かした食塩水に相当します。
この等張液を基準にして温泉を比べると次の3つに分類されます。
低張泉 等張液より浸透圧の低いもの(8g/kg未満)
等張泉 等張液と同じ浸透圧を持つもの(8〜10g/kg未満)
高張泉 等張液より高い浸透圧を持つもの(10g/kg以上)
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浸透圧は、2つの濃度が違った溶液を「仕切り」で分けた場合、濃度を一定にしようと、濃度の薄い溶液から濃い溶液に水分が移ろうとする力です。
薄い溶液の水分が、濃い溶液の方に流れるのです。
一方、「仕切り」が水分だけでなく、溶解物質も通す場合は、濃い溶液の溶解物が、薄い溶液の方に移ろうとします。
肌は、温泉の効能成分を浸透させることができるので、理論上は、「高張泉」の方が、成分を体に吸収しやすいことになります。
「低張泉」は、サラサラしたやさしい湯という傾向があり、理論上は、温泉の水分が体に吸収されやすいということになります。
低張泉の温泉で長湯すると皮膚がふやけやすいですが、梅干しのように水分が無くなってシワシワになるのではなく、その反対に皮膚の 表面からいくらか水が浸透して、皮膚のごく表面の部分だけ伸びる一方、その下の部分は、変化がないのでしわができてしまうのです。
つまり体に水分を与えているのです。
「高張泉」は、理論上、温泉成分が肌に浸透しやすい特長を持っています。
赤倉温泉を例にとると、「低張泉」で、サラサラした温泉ということになります。
温泉は水素イオン濃度によるph値で下記のように分類されます。
一般的に、酸性泉は皮膚病に効き、アルカリ性泉は美肌効果があります。
強酸性泉 pH2未満
酸性泉 pH2〜3未満
弱酸性泉 pH3〜6未満
中性泉 pH6〜7.5未満
弱アルカリ性泉 pH7.5〜8.5未満
アルカリ性泉 pH8.5以上
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酸性度が高いと殺菌効果があり、皮膚病に効きやすいです。
中性泉は、肌に優しいです。
アルカリ度が高いと、肌の角質をとる日は美肌効果があります。
赤倉温泉を例にとると、肌に優しい「中性泉」ということになります。
泉質は、9種類に大別され、さらにイオン名との組み合わせにより細分化されます。
なお、泉質の9分類は下記の通りです。
「単純泉」「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」
「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」
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正式な泉質名は、下記のように陽イオン(プラスイオン)と陰イオン(マイナスイオン)の組み合わせによります。
赤倉温泉の例をあげると、下記のようになります。
カルシウム・ナトリウム・マグネシウム―硫酸塩・炭酸水素塩泉
陽イオン(プラスイオン) 陰イオン(マイナスイオン)
9分類では、「硫酸塩泉」と「炭酸水素塩泉」の2つの泉質を併せ持っていることになります。
泉質別効能早見表
泉質・効能別全国温泉地リンク集
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