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完全入浴法
〜入浴前から入浴後までの完全ガイド〜

入浴法には、茶道のように「こうしなければならない」という制約はありません。
ただし、茶道根底にある「こうすると合理的にお茶をおいしく飲め、最上のおもてなしができる」という考え方に似た、健康のための合理的な入浴法があります。

ここでは、その合理的な健康入浴法について説明いたします。

 【その1】入浴前の休憩

疲れた時は即入浴したくなりますが、長旅の後やスキーなどのスポーツの後はしばらく休憩した方がよいのです。
少なくとも30分は、休憩しましょう。
また、食事の直後も入浴してはいけないタイミングです。


 【その2】入浴前に水分の補給

入浴による発汗で体内の水分が失われると、いわゆる「ドロドロ血」の状態になります。
入浴後だけでなく、入浴前にもコップ1杯の水を飲む習慣を身につけましょう。
スポーツドリンクやビタミンCを多く含んだドリンクやミネラル豊富な麦茶もいいでしょう。


 【その3】かけ湯

入浴前には、必ず「かけ湯」をしましょう。
「かけ湯」は、体の汚れを落としてから入浴するというマナーだけでなく、温泉に体を慣らすという意味があります。
足先など心臓の遠くから順にお湯をかけ、最後に肩からお湯をかけましょう。
立ちくらみしやすい方は、頭からの「かぶり湯」が効果的です。

また、入浴前に体を洗う方がいますが、温泉の場合は、体の汚れを落とす準備をする「乳化作用」がありますので、入浴してから体を洗うのが合理的です。

 【その4】露天風呂より先に内風呂から

露天風呂は外気温が低く、入浴したとき血圧が急上昇しがちです。
これを防ぐには、外気とお湯の温度差が小さい内湯から入浴しましょう。


 【その5】全身浴、半身浴、分割浴

最近、「半身浴」が流行っていますが、せっかくの温泉ですから気持ちよく入浴できれば、必ずしも半身浴にこだわらなくともいいと思います。
水圧により血圧が急上昇しないように、足先からゆっくり入り、足浴、半身浴、全身浴の順で入浴してください。
その上で、苦しくなりそうになったら、しばらく半身浴をすればよいのです。

さらに、入浴、休憩を繰り返す「分割浴」をしてください。
「半身浴至上主義」でなく、体と対話しながら、「全身浴」「半身浴」「分割浴」をおこなってください。

 【その6】体は手で洗う

温泉には皮膚の不要な角質をとったり、毛穴の汚れをとったりする「乳化作用」があります。
ですから、タオルで強くゴシゴシこする必要がないのです。
むしろ、あまり強く体をタオルでこすると肌をいためます。

そこで、温泉入浴の際は、ボディーソープや石鹸を手で泡立てそのまま手で体を洗いましょう。

 【その7】体質に合わせ、頭にタオル

温泉では頭にタオルをのせている人をよく見かけます。
これは、タオルをなくさないためやタオルを温泉浴槽につけないためにするためにおこなっている方が多いのではないかと思います。

しかし、この「頭にタオル」には他にも意味があります。
立ちくらみしやすい方は、タオルを熱いお湯につけてから頭にのせましょう。
のぼせやすい方は、冷たい水につけたタオルを頭にのせましょう。

実際には、立ちくらみかのぼせかわかりません。
そこで、【その3】の「かぶり湯」をした後、「冷たいタオル」を頭にのせるといいでしょう。
冷たいタオルを頭にのせるのは、「頭寒足熱」という理想の状態をつくります。

 【その8】疲労回復「温冷交互浴」

入浴により体が温まったら、疲労回復効果抜群の「温冷交互浴」をしましょう。
体に熱い湯と冷たい水での刺激を与えることにより、主に抹消血管を広げ、疲労物質の乳酸を体外に排出させる入浴法です。
時間の目安は、「お湯3分、水1分」で、これを「3〜5回」繰り返します。
なお、水の刺激は心臓に負担をかけるので、水をかけるときは、膝下か腿より下だけにしましょう。
お湯は、膝下、腿より下だけでもいいですが、全身浴をしてもかまいません。

 【その9】「あがり湯」は新鮮な温泉で

せっかくの温泉成分は洗い流さない方がいいです。
酸性泉など刺激の強い温泉以外は、シャワーやカランでとったお湯での「あがり湯」はしないでください。
もし「あがり湯」をするなら湯口から新鮮なお湯を桶にとり、適温にさましてからかけてください。

 【その10】体を拭くのは浴室内で

風呂から上がるとき、脱衣場でなく浴室内で体を拭きましょう。
体が濡れたまま脱衣場にはいるのはマナーに反します。
また、できればタオルは、湯口から桶でとった温泉につけた後絞って使ってください。
温泉成分を少しでも体に残すためです。温泉達人にバスタオルは不要です。

 【その11】水分補給

入浴前同様、発汗により失われた水分を補給しましょう。
ミネラルウォーター、麦茶、スポーツドリンク、ビタミンCが豊富なオレンジジュースなどがいいです。

 【その12】入浴後の休憩

入浴というのは思った以上に体力を消耗するものです。
できれは30分以上、横になって休んでください。
また、入浴後15〜30分が一番心がリラックスしやすいので、この時間をのんびり過ごすことがストレス解消につながります。


 【付記1】
 ゆっくり入り、ゆっくり上がる

入浴するときも、上がるときも、ゆっくりと!

入浴時は、水圧・温度・温泉の刺激へ負担を軽くするために、足浴→半身浴→全身浴の順でゆっくり入浴しましょう。

お風呂から上がる時は、水圧から開放され、体の表面やより下半身側に血液が移動するので、脳貧血を起こしやすいのです。
そこで、入浴する際の逆で、全身浴→半身浴→足浴→ゆっくり立ち上がるという流れをつくりましょう!

 【付記2】
 1日に1.5〜2リットルの水を少しずつ飲む
 〜万病予防のために

上記の入浴法による温熱効果は、血行を促進するとともに末梢血管を拡張し、体に栄養素を運ぶ効果や老廃物を排出しやすくする効果のため、「万病予防入浴法」と言えます。
更に、発汗や利尿作用を高めて、老廃物を出しやすくすると更なる万病予防効果が得られます。

そのポイントは、「正しい水分補給法」です。
水分は、「食事以外から1日に1.5〜2リットル」摂ってください。
一気にがぶ飲みせずに、「喉が渇く前にコップ1杯飲む」ことがポイントです。
つまり、1日に10〜13回ほど飲むことになります。
入浴前後、睡眠前後は特に水分補給をお忘れなく!






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